2010年1月14日木曜日

あだ名


ポソレ
というのは、メキシコのスープ。

「豚の頭などの煮汁に、カカワツィントゥルと呼ばれるジャイアント・コーンの一種を細く裂いた豚肉か鶏肉と一緒に煮たスープで、味付けは、地方によって異なるのですが、基本的にはにんにくと塩のみ。食べるときにタマネギのみじん切り、オレガノ、チレ、アボガド、ラディッシュ、レモン汁をお好みで入れて食べる極く大衆的な料理」

去年1月の、El PaísのDetenido un sicario mexicano que disolvió 300 cuerpos en sosa cáustica、300体を苛性ソーダで溶かしたメキシコ人殺し屋逮捕という記事を読んだ。受け取った死体をドラム缶にたんぱく質を溶かす苛性ソーダといっしょに入れて24時間置いておき、浄化槽に捨てていたために仲間内でEl Pozolero(ポソレ作り)というあだ名で呼ばれていたという冗談のような話。

ティフアナという街はメキシコ政府が自身の統制が及んでいないことを認めている6都市のうちのひとつ。実質的な統制権を巡って2つの集団が争っていて、2008年には6000人も殺されたというからおそろしい。16人の若者の舌を切られて銃で殺された死体が見つかると、その次の日にはライバルの組織の報復。腐った死体が3人分入ったドラム缶には「(お前たちを)ポソレにしてやる」というメッセージがついていた。

そして昨日は、Detenido el capo de Tijuana que ordenaba convertir en caldo a sus rivales、ライバルたちをスープにしろと指示していたティフアナのボス逮捕という記事が出ていた。Teodoro García Simentalという名のこのボスがEl Teoと呼ばれるのはまだわかるけど、もうひとつのあだ名がEl tres letras。「3文字」という意味だけど、お笑い芸人みたい。カルデロン大統領が2006年から軍隊を投入して乗り出した麻薬撲滅作戦がそれなりの成果を見せているのだろうけれど、メキシコでおきる事件は残忍でぞっとするような話なのにどうにもディテールが滑稽。不思議な国だ。

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