2009年10月12日月曜日

上海到着(1日目)


上海行きのチケットは到着と出発の時間で値段がかわる。行きの日本出発が早かったり、帰りの上海出発が遅いならチケットが高くなる。それだけ滞在時間が長くなるから。

安いチケットだと日本を夜に出発して上海からの帰路は朝や昼ごろ出発になる。私たちの場合はこれ。しかも、出発が遅れたので上海に到着したのは夜11時ごろ。リニアモーターカーはもう運転していないようなので、ホテルにはタクシーで行く。乗り込んで、ふと後ろを振り返ると見えたのは浦東国際空港から龍のように夜に浮かび上がるらせん状の道路。

空港から上海市の中心、南京東路のホテルまでは1時間くらい。オレンジ色に規則正しく並ぶライトの中をとばしていくタクシー。ほかに走っている車もなくて、ぽつんぽつんと見える建物と大きい看板と広い空に、スペーシィ!これが大陸かと思う。

中心に近づくと現れるのが高層ビル。窓の形が日本と違うのか、高いビルに細かく並ぶ正方形の窓の光はキャプテンハーロックのサンゴのような惑星都市みたい。

タクシーの運転手が正確な場所がわからなかったみたいで、違うホテルに着いてしまった。あたりまえだけど、違うよ!と言ってもNO!と言っても通じない。ガイドブックの地図を見せてここ!ここ!とがんばる。すると、ぐるぐるとその周辺をまわってくれたのだけど、やっぱりわからない。ちょっと待ってろ、とたぶん言って南京東路のど真ん中に車を止めた。近くにいた人に訊ねたり、電話で誰かに連絡してくれている。

はじめての中国で言葉もわからないし、もう夜中の12時も過ぎてちょっと心細くなったときに「あ!」と妹が指差したのが後方右上。すぐそこ!「あったよ、ここだった!」、一生懸命だった運転手は日本語で言われて混乱していたけれど、これ以上説明はできないので、「謝々!謝々!謝々!」と言ってお金を払って降りた。

今夜の寝床までもうすぐ。恐る恐る扉をあけて薄暗い建物の中に入ると、暗い中にセーターを着たマネキンが並び、ワイシャツやジャケットが所狭しと並んでいる。すると、奥の暗闇からひとりの男が現れて中国語で話しかけてきた。わ!と思ってよく見るととさらに後ろにもうひとり、長椅子で寝ていた男が半身を起した。どうなっているんだと妹と顔を見合わしたけれど、タバコを挟んだ指で示された横の階段をのぼってホテルの受付にやっと到着。

ずっと眉間に深いしわを寄せて後ろの事務所にいる女の子と大声で話しながらチェックイン作業をするホテルの受付嬢からカードキーを受け取ってエレベーターを降りた。どーんと置かれた食用の魚の水槽を横目に奥に歩いていってやっとたどり着いたわたしたちの部屋。もう夜中1時だったけれど、滞在数時間でこのインパクト。少しの不安と大きな期待を胸に眠った。

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