アール・ヌーヴォーとアール・デコの時代のフランスで活躍した工芸家、ルネ・ラリック。
最近、興味が自分の中で再燃している分野。
したがって、家族旅行とはいえ、興味のない家族とは別行動。
ひとり、箱根ラリック美術館へ行ってきました。
そして、心臓を射抜かれてしまったのが、「ヴィクトワール、勝利の女神」。上の写真。
1920年代の車のラジエーター・キャップにつけるマスコット。
つまり、あのベンツの車の先っぽに付いているものなのだけれど。
車のメタルな質感とガラスの優美でなめらかな質感の組み合わせが強烈で目が離せません。
ほかの作品、花瓶にしても、ネックレスやら飾り襟などの装飾品にしても、
グロテスク、でも、しつこくないし、不快でもない。すごく惹き付けるのです。
エロティシズム、官能性、素材としての美、
この3つが『アール・ヌーボーの世界』(中公文庫)には
アール・ヌーボーの特徴として挙げられていたのだけれど、
言葉で表現されていることが見て感じたこととつながった感じがしました。
特に、何点かラリックの娘の作品も展示されていたのですが、
官能性と素材のつくりだす緊張感というか迫力のようなものが感じられず、
私の眼には退屈な作品に見えたのでした。
帰りには、小田原で1814年創業のかまぼこ屋さん、『かごせい』で籠青の黒というかまぼこを購入。
いか墨が練りこんであるのだけれど、このイカ。 ジャポニズム。
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