2010年8月18日水曜日

捨てられない言葉 4

ぼくは「永遠」の意味を探している。どんなことが待ち受けようとも、自分が迷うことなく決心できる何かを。何でそんなものを探しているかって?それはこの地上にぼくが心から欲するようなものがないからだ。たったひとつもね。理由や事実、科学に真実…。どれもぼくにとっては「永遠」とは繋がらない。反対に息が詰まる思いがするだけなんだ。

ケルアック

捨てられない言葉 3

性交のあとで生物はみな悲しくなる

『世界風俗史』河出文庫

2010年8月17日火曜日

捨てられない言葉 2

恐れられさえすれば、憎まれてもいい。

この美しい首も、私が命令すれば即座に落ちるのだよ。

カリグラ
『世界風俗史』河出文庫

捨てられない言葉 1

ゆうべ、目を閉じて、眠って(半分眠りにおちて)ニールの誕生日のことを考えていた。そして僕自身の6ヶ月後の誕生日のことを考えさせられた・・・ニールのように僕も26になる。

最近よく思うんだけれど、年月はどんどん短くなって、飛んでくように速くなってるみたいだ。26になったら30になったも同然だ。僕は胸に意識の強い衝動を感じて起きた。目はかっと見開いた。時間が巨大な鳥のように飛んでいくのが見えた。

僕らは力のこもった絶頂の年齢にさしかかっているんだ。僕は今まで感じたことのないくらいに、自分がふけて、より明晰になったと思う・・・同時に又、世界の大きな夢のなかで取り返しのつかないくらい孤独が深まったわけだけれど。未来のことなんて全然わからない。今はもっと、ドルとか社会とか、外の事物にもっとかかわるべきなんだろう。

何を望むにしても、まだ僕はそうなりたいと思った僕じゃない・・・僕がなりたいと思ったたくさんのもののどれでもない・・・たぶんどれにもならない。目は見開きつづけている。

Last night I had my eyes closed, sleeping (half asleep) and thinking about Neal's birthday, which led me to think of my own in 26 like Neal. It has been occuring to me often that years now seem shorter, more fast to fly. At 26 we are almost 30 actually, and I woke with a powerful knock of awareness at my heart, me eyes flew open. I saw time flying like an enormous bird. We are getting to our age of most power, our peak. I feel older and clearer than I ever did...though at the same time more irretrievably isolated in the huge dream of the world. I don't really see much future, since by now I should be more connected to outside things, like $ and society. Whatever I want, I still am not what I wanted to be...none of the many kind of things I wanted to be...and perhaps will not be. The opening of the eyes goes on.

アレン・ギンズバーグ
『ハートビート』新宿書房